9月10日に、国際アンデルセン賞の授与式が、メキシコで行われました。
国際アンデルセン賞とは、選考水準の高さから「小さなノーベル賞」といわれるほどの権威ある賞です。
国際アンデルセン賞は、1956年に国際児童図書評議会(IBBY)によって創設されました。
国際児童図書評議会(IBBY)とは、
「子どもの本を通じての国際理解を」
と提唱する故イエラ・レップマン(Jella Lepman)が中心になって1953年に設立されました。
国際アンデルセン賞は、
長らく子どもの本に貢献してきたと認められる、現存する作家および画家の全業績に対し、IBBY各国支部より推薦された候補者の中から、国際選考委員会によって受賞者が選ばれます。
第3回までは、一つの作品に対して贈られていたようですが、現在は、全業績を対象とした作家へ贈られています。
国際アンデルセン賞は、2年に一度、西暦の偶数年に授与されます。
各国の事務局が最高1名をIBBA本部に推薦します。
現在は、60カ国以上が加盟していますので、60名近い作家さんがまず推薦されます。
各国の事務局は、その推薦した作家の全作品リスト・経歴等と代表作数冊を資料として本部に届け、審査員は、約半年間かけて検討します。
審査員は、委員長1名をふくめた11名で構成されています。
今年は、スペインの委員長と、アメリカ、イタリア、イラン、オーストリア、韓国、キューバ、スウェーデン、トルコ、ベネズエラ、ロシアの10名の委員でした。
2年に一回、全世界の中から1名のみに贈られる狭き門です。
その賞を、今年は、日本の児童作家・ファンタジー作家の上橋菜穂子さんが受賞されました。
創設以来、日本人作家が受賞したのは、1994年のまどみちおさん以来20年ぶり2人目です。
上橋菜穂子さんの代表作は、
「獣の奏者」・「精霊の守り人」シリーズなどです。
上橋菜穂子さんは、
物語は「他者に成る」力を与えてくれる。
きっとそれこそが想像の力。私たちはそういう力を持っているからこそ、この世に生きる多くの他者とともに、なんとかかんとか歩んでいく道を探せるのかも しれません。
とアンデルセン賞の授与式であいさつされていました。
次回、上橋菜穂子さんについてさらに御紹介いたします。