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  1. サラバ!

    超高価買取中タイトルに加わった本の紹介です。

    【サラバ!】

    saraba-jyou saraba-ge

    【サラバ!上・下巻】

    著者 西 加奈子

    出版社 小学館

    発行日 2014/10/29

    定価 1,728円

    買取金額 700円

     

    第152回直木三十五賞の受賞作品です。

     

    1977年5月、圷歩(あくつあゆむ)は、イランで生まれた。 
    父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
    イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。
    後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。

     

    著者の西 加奈子さんは、1977年5月7日生まれの38歳。

    小説の主人公と同じイラン生まれのエジプト・大阪育ち。

    小学校5年生まで、イラン・エジプトで育ったそうです。

    2000年に大学卒業後、バイトで雑誌「ぴあ」のライターや喫茶店の手伝いをしたのち、2004年に「あおい」で作家デビュー。

     

    aoi

    【あおい】

     

    代表作は、「さくら」・「きいろいゾウ」など。

    sakura

    【さくら】

    kiiroizou

    【きいろいゾウ】

     

    「きいろいゾウ」は、2013年に映画化されました。

    宮崎あおいさんと向井理さんが主演されました。

     

    今回の受賞作「サラバ!」は19作品目。

    作家デビューから10年。

    その10年を記念して書かれたそうです。

    そして、

    「今後10年で「サラバ!」を超える作品を書かなあかん。」

     と先を見ておられました。

     

    「サラバ!」は、2015年本屋大賞にもノミネートされています。

     

     2月いっぱいの期間限定で高価買取を致します!

    ぜひ当店にお売りください!

     

     

  2. 国際アンデルセン賞

    9月10日に、国際アンデルセン賞の授与式が、メキシコで行われました。

    国際アンデルセン賞とは、選考水準の高さから「小さなノーベル賞」といわれるほどの権威ある賞です。

     

    国際アンデルセン賞は、1956年に国際児童図書評議会(IBBY)によって創設されました。

     

     国際児童図書評議会(IBBY)とは、

    「子どもの本を通じての国際理解を」

    と提唱する故イエラ・レップマン(Jella Lepman)が中心になって1953年に設立されました。

     

    国際アンデルセン賞は、

    長らく子どもの本に貢献してきたと認められる、現存する作家および画家の全業績に対し、IBBY各国支部より推薦された候補者の中から、国際選考委員会によって受賞者が選ばれます。

     

    第3回までは、一つの作品に対して贈られていたようですが、現在は、全業績を対象とした作家へ贈られています。

     

    国際アンデルセン賞は、2年に一度、西暦の偶数年に授与されます。

    各国の事務局が最高1名をIBBA本部に推薦します。

    現在は、60カ国以上が加盟していますので、60名近い作家さんがまず推薦されます。

    各国の事務局は、その推薦した作家の全作品リスト・経歴等と代表作数冊を資料として本部に届け、審査員は、約半年間かけて検討します。

     審査員は、委員長1名をふくめた11名で構成されています。

    今年は、スペインの委員長と、アメリカ、イタリア、イラン、オーストリア、韓国、キューバ、スウェーデン、トルコ、ベネズエラ、ロシアの10名の委員でした。

    2年に一回、全世界の中から1名のみに贈られる狭き門です。

     

    その賞を、今年は、日本の児童作家・ファンタジー作家の上橋菜穂子さんが受賞されました。

    創設以来、日本人作家が受賞したのは、1994年のまどみちおさん以来20年ぶり2人目です。

    上橋菜穂子さんの代表作は、

    「獣の奏者」・「精霊の守り人」シリーズなどです。

     

    上橋菜穂子さんは、

    物語は「他者に成る」力を与えてくれる。

    きっとそれこそが想像の力。私たちはそういう力を持っているからこそ、この世に生きる多くの他者とともに、なんとかかんとか歩んでいく道を探せるのかも しれません。

     とアンデルセン賞の授与式であいさつされていました。

     

    次回、上橋菜穂子さんについてさらに御紹介いたします。

  3. 講談社絵本新人賞

    先月の8/22に、第36回講談社絵本新人賞の発表が行われました。

     

    今回の新人賞は

    石川基子さんのほしじいたけ ほしばあたけ

    に決定しました。

     

    講談社絵本新人賞は、

    原則として、幼児・児童を読者対象とした自作未発表の創作絵本作品(絵と文の合作の場合も、おのおの自作未発表の作品)であること。

    テーマは、自由です。

     

    新人賞でありますから、

    単行本として絵本を商業出版(自費出版・共同出版を除く)された実績のある方はご応募できません。

    という制限があります。

     

    今年の5/15~6/15に応募の受付をしていました。

     

    受賞作ほしじいたけ ほしばあたけの選評です。

    お話のくだらなさ(褒め言葉です)に対して、絵の濃ゆさがハンパなかったですね。

    しいたけ→じいたけ→ばあたけという発想の流れがすさまじいだけ。失礼。だけじゃない。絵も良いし、展開も面白い。

    絵はやはり強烈でした。・・・かなり笑わせてもらった。

     

    絵に対する評価の高さが伝わっていきます。

    (あと、くだらないというほめ言葉も興味深いです。)

     

    著者の石川基子さんは、愛知県で活動されている方のようです。

    イラスト展などを開かれたり、ポスターのイラストを描かれたりしておられます。

    現在『もたもた堂本舗』というHPを開かれています。

    そちらに、GALLARYがありますので、ぜひご覧ください。

     

    さすがに上手です。

    そして、独特な表情の絵です。

     

    今回の受賞作『ほしじいたけ ほしばあたけ』は、来年に講談社から出版されます。

    制作日記も書かれるので、ぜひご覧ください。

    講談社 絵本通信

     

  4. 第151回芥川賞・直木賞

    先週の7/17に第151回芥川龍之介賞直木三十五賞が決定いたしました。

    芥川龍之介賞は

    春の庭

    著者は柴崎友香さん。

     

    harunoniwa

    「春の庭」

    著者:柴崎友香

    掲載誌:文學界6月号

    出版社:文藝春秋

    結婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗 り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる・・・。
    いつもの街の中に、気づかなかった「時間の流れ」や「暮らし」の歓びが浮かび上がります。

     

     

    柴崎さんは、40歳。

    今回で、4回目の芥川賞候補でした。

    これまでは、自宅で知らせを待っていましたが、今回は、浅草の喫茶店で待つことにしたそうです。

    そしてみごとに受賞。

    電話が来たとき、最初はあわてて、切ってしまったそうです。

     

    選考委員の高樹のぶ子さんは、

    「柴崎さんが自分の世界を広げた作品だ。視点のずれに効果があり、不思議なゆらぎを生み出している。時間の厚みと色彩が一緒にゆらめいていて、これまでの作品で完成度も、成熟度も一番よかった。」

    と評価されていました。

     

    直木三十五賞は、

    波紋

    著者は、黒川博行さん。

     

    hamon

    破門

    著者:黒川博行

    出版社:角川書店

     

    映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮は、資金回収のため、関西とマカオを奔走する。巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルに発展し、桑原にも絶体絶命の危機が!

     

    著者の黒川博行さんは、1949年生まれの65歳。愛媛県出身です。

     

    雀荘で麻雀をされていたそうです。

    そこで、受賞の知らせを受けました。

    黒川さんは、今回で6回目の直木賞候補。

    さすがに5回も落選するとトラウマになってたそうです。

    「待ち会は嫌なんです。編集者と集まって待ってるんですけど、7時過ぎると妙にシーンとなるし、電話を受けた自分が落ちた瞬間にどんな顔してええか、すごく感じてまして。麻雀してるんやったらそんなに暗い顔もしないで普通に待てるかなと思いました。」

    すごく伝わりますね。

     

    選考会では、初回の投票から圧倒的な支持を集めていたようです。

    選考委員の伊集院静さんは、

    「候補作の中で読み物として一番面白い。心象を一切書かず、これだけ読ませるのは素晴らしい」

    と評価されていました。

     

    愛媛出身ですが、幼稚園くらいから、大阪で暮されているので、言葉は大阪弁。

    会場も笑いに包まれながらの会見でした。

  5. 第151回直木三十五賞候補作

    直木三十五賞芥川龍之介賞が本日7/17に決定します。

    第151回直木三十五賞の候補作、6作品をご紹介いたします。

     

    midnaitobasu

    ミッドナイト・バス

    著者:伊吹有喜

    出版社:文藝春秋

     

    東京での仕事に挫折し、故郷で深夜バスの運転手として働く利一。あるとき乗車してきたのは、十六年前に別れた妻だった。おだやかな筆致で描かれる、家族の再生。そして再出発。

    著者の伊吹有喜さんは、1969年生まれの45歳。

    三重県出身の方です。

    代表作は、「四十九日のレシピ」。

    ドラマ化も映画化もされた作品です。

    ドラマは、2011年にNHKで放送され、和久井映見さんが主演されました。

    映画は、昨年2013年11月に公開され、永作博美さんが主演されました。

     

     

    hamon

    破門

    著者:黒川博行

    出版社:角川書店

     

    映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮は、資金回収のため、関西とマカオを奔走する。巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルに発展し、桑原にも絶体絶命の危機が!

     

    著者の黒川博行さんは、1949年生まれの65歳。愛媛県出身です。

    黒川さんは、今回で、6回目の直木賞候補です。

    今回の作品「破門」は、「疫病神」シリーズの第5作目です。

    このシリーズは、5作中3作が直木賞候補になる人気のシリーズです。

     

     

    otokotomodati

    男ともだち

    著者:千早 茜

    出版社:文藝春秋

     

    関係のさめた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調なのに、本当に描きたかったことを見失っている―京都在住イラストレーター神名葵29歳の熱くてダークな疾走する日常。

     

    著者の千早 茜さんは、1979年生まれの34歳。

    北海道出身で、現在は京都に住んでいます。

    「魚神」で、第21回小説すばる新人賞受賞し、2009年に作家デビュー。

    前回も「あとかた」で、直木賞候補になりました。

    まだ、作家になって5年目なのに、すごいです。

     

    watakusiniitahito

    私に似た人

    著者:貫井徳郎

    出版社:文藝春秋

     

    小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。

    テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。

    著者の貫井徳郎(ぬくいとくろう)さんは、1968年生まれの46歳。東京出身。

    今回で4回目の直木賞候補。

    代表作は「乱反射」で、第63回日本推理作家協会賞を受賞されています。

    この選考会では、選考委員の北村薫さんが、

    『乱反射』に与えないようなら、推理作家協会賞の存在意義はない」と。なぜなら『乱反射』は「(普通の)小説という衣の下に、本格(ミステリー)の鎧(よろい)を隠した作品」だからだ。

    といったそうです。

     

    honnyasannnodaiana

    本屋さんのダイアナ

    著者:柚木麻子

    出版社:新潮社

     

    私の呪いを解けるのは、私だけ。「大穴」という名前、金色に染められたパサパサの髪、行方知れずの父親。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の 世界と同級生の彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人は、一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に―。少女から大人への輝ける瞬間。強さと切なさを 紡ぐ長編小説。

    著者の柚木麻子(ゆずき あさこ)さんは、1981年生まれの33歳。東京都出身。

    2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。2010年に、その作品を含短編集「終点のあの子」で、作家デビューされました。

    前回の直木賞候補にもなりました。

    この方も、デビューしてまだ、4年目。

     

    manngann

    満願

    著者:米澤穂信

    出版社:新潮社

     

    を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライ ターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。

     

    著者の米澤穂信さんは、1978年生まれの36歳。岐阜県出身。

    代表作は、「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」・「折れた竜骨」。

    「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」は、映画化され、藤原竜也さん・綾瀬はるかさん・石原さとみさんらが出演されました。

    「折れた竜骨」では、貫井徳郎さんが受賞された次の回である第64回に、日本推理作家協会賞を受賞されました。

     

     

    本日午後5時から築地の新喜楽で、選考委員会が開催され、受賞作が決定いたします。

    楽しみです。