スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > 文学賞 > 第151回芥川賞・直木賞

第151回芥川賞・直木賞

先週の7/17に第151回芥川龍之介賞直木三十五賞が決定いたしました。

芥川龍之介賞は

春の庭

著者は柴崎友香さん。

 

harunoniwa

「春の庭」

著者:柴崎友香

掲載誌:文學界6月号

出版社:文藝春秋

結婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗 り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる・・・。
いつもの街の中に、気づかなかった「時間の流れ」や「暮らし」の歓びが浮かび上がります。

 

 

柴崎さんは、40歳。

今回で、4回目の芥川賞候補でした。

これまでは、自宅で知らせを待っていましたが、今回は、浅草の喫茶店で待つことにしたそうです。

そしてみごとに受賞。

電話が来たとき、最初はあわてて、切ってしまったそうです。

 

選考委員の高樹のぶ子さんは、

「柴崎さんが自分の世界を広げた作品だ。視点のずれに効果があり、不思議なゆらぎを生み出している。時間の厚みと色彩が一緒にゆらめいていて、これまでの作品で完成度も、成熟度も一番よかった。」

と評価されていました。

 

直木三十五賞は、

波紋

著者は、黒川博行さん。

 

hamon

破門

著者:黒川博行

出版社:角川書店

 

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮は、資金回収のため、関西とマカオを奔走する。巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルに発展し、桑原にも絶体絶命の危機が!

 

著者の黒川博行さんは、1949年生まれの65歳。愛媛県出身です。

 

雀荘で麻雀をされていたそうです。

そこで、受賞の知らせを受けました。

黒川さんは、今回で6回目の直木賞候補。

さすがに5回も落選するとトラウマになってたそうです。

「待ち会は嫌なんです。編集者と集まって待ってるんですけど、7時過ぎると妙にシーンとなるし、電話を受けた自分が落ちた瞬間にどんな顔してええか、すごく感じてまして。麻雀してるんやったらそんなに暗い顔もしないで普通に待てるかなと思いました。」

すごく伝わりますね。

 

選考会では、初回の投票から圧倒的な支持を集めていたようです。

選考委員の伊集院静さんは、

「候補作の中で読み物として一番面白い。心象を一切書かず、これだけ読ませるのは素晴らしい」

と評価されていました。

 

愛媛出身ですが、幼稚園くらいから、大阪で暮されているので、言葉は大阪弁。

会場も笑いに包まれながらの会見でした。