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第151回芥川龍之介賞候補作品

第151回芥川龍之介賞と直木三十五賞の候補作品が決定いたしました。

(芥川龍之介賞・直木三十五賞の説明はコチラの記事を参照下さい→【芥川賞・直木賞】

 

本日は、芥川龍之介賞の候補作について。

どろにやいと

著者:戌井昭人

掲載誌:群像1月号

出版社:講談社

亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸「天祐子霊草麻王」を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海沿いの村を訪れる。土地の老人達、雑貨店の ホットパンツの女、修験道者姿の謎の男・・・。人里離れた村で出会う人々は一癖も二癖もありそうな人たちばかり。やがて、帰りのバスに乗り遅れた「わたし」 は、この村で一泊することになるのだが・・・。

どろにやいととは、泥にお灸をすえるという意味です。無駄なことという例えだそうです。

 著者の戌井昭人さんは、俳優さんでもあります。

鉄割アルバトロスケットという劇団を旗揚げ、脚本も担当しています。映画の「ゲゲゲの女房」やテレビでは「情熱大陸」などにも出演されています。

作家としては、2008年にデビュー以来、今回で5回目の芥川賞の候補に。昨年発行された「すっぽん心中」では、第40回川端康成文学賞を受賞されました。

 

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マダム・キュリーと朝食を

著者:小林エリカ

掲載誌:すばる4月号

出版社:集英社

 

 どうして、目に見えないもののことは、 みんなこんなにも簡単に忘れてしまうんだろう。「東の都市」へと流れて来た猫と、震災の年に生まれた少女・雛(ひな)。目に見えないはずの“放射能”を、猫は「光」として見、少女の祖母は「声」として聞く――。

キュリー夫人やエジソンなど、実際のエネルギー史を織り交ぜながら時空を自在に行き来し、見えないものの存在を問いかける。卓越した想像力が光る、著者初の長編小説。

 

この作品は、第27回三島由紀夫賞の候補にもなりました。

著者の小林エリカさんは、1978年生まれの、36歳。「終わりとはじまり」・「光の子ども」など、マンガも描かれています。

太いまゆ毛不機嫌そうな女性を描かれます。

 

春の庭

著者:柴崎友香

掲載誌:文學界6月号

出版社:文藝春秋

結婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる・・・。
いつもの街の中に、気づかなかった「時間の流れ」や「暮らし」の歓びが浮かび上がります。

著者の柴崎友香さんは、1973年生まれの40歳。

今回で、4度目の芥川賞候補。

2004年には、著書の「きょうのできごと」が映画化されました。(田中麗奈・妻夫木聡)

 

メタモルフォシス

著者:羽田圭介

掲載誌:新潮3月号

一人の愛好家が死んだ。モーニングセットを食べるついでに喫茶店の棚から手に取った実話系週刊誌を読んでいたサトウは、スツールに座ったまま姿勢を正し、当該記事を読み直す。

「背中にハローキティの刺青!? 多摩川支流で見つかった身元不明男性遺体に囁かれる“噂”」

著者の羽田圭介さんは、1985年生まれの28歳。17歳のとき「黒冷水」で、3人目の史上最年少で文藝賞を受賞。

 

 

吾輩ハ猫ニナル

著者:横山悠太

掲載誌:群像6月号

この作品は、第57回群像新人文学賞を受賞しました。

幼いころ日本で暮らしたことがあるが、その後父と別れ上海で育ったため、日本語は完璧ではない。その彼が、ビザの更新のため一人で日本に行き、「秋叶原(あきはばら)」で経験した冒険を綴(つづ)った物語。

著者の横山悠太さんは、1981年生まれの32歳。現在、留学生として中国に住んでいます。

 

以上の5作品です。

 

発表は、来月7月17日。

楽しみです。