先週から引き続きマンガ大賞について。
今週は、ノミネート10作品の紹介です。
「足摺り水族館」
著者:panpanya
出版社:1月と7月
つかい中の子供が非日常の世界に迷い込む「完全商店街」、死者の町を描いた「冥途」、少女が自由研究で訪れた不思議な博物館を舞台とする「新しい世界」……。これら複数の短編作品に加えて、紀行文やイラストなども収録した作品集。
著者のpanpanyaさんは、同人誌即売会や自身のwebサイトなどで活動し、2013年の春に、商業デビュー。
出版社の株式会社1月と7月は、社長とお手伝いさんで仕事をしています。
2010年にその出版社から、「足摺り水族館」は、手作りで発行されました。そして、翌年の2011年に「ASOVACE」という短編漫画作品を和綴じで自家製本されました。
この2作品を一般流通向けに再編集したのが今回の単行本「足摺り水族館」です。
自家製本された両作品の写真も載っていますが、とても手作り感があります。
出版社といい、出版のされ方といい、とても独特な作品です。
「亜人」
著者:桜井 画門
出版社:講談社
「亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。それは、彼が亜人であり、人間ではないことを意味する。
「good!アフタヌーン」で、2012年5月から連載が始まった。
連載当初は、原作:三浦追儺さん・作画:桜井 画門さんでしたが、2巻からは桜井画門さん単独のようです。
「このマンガがすごい!」2014年オトコ編第3位です。
「乙嫁語り」
著者:森 薫
出版社:エンターブレイン
中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか・・・?
この作品は、2011年と2013年にもノミネートされています。年1冊ペースで単行本が発行されています。
「乙嫁語り」は、アングレーム国際漫画祭世代間賞を受賞。
著者の森 薫さんの前作は、ヴィクトリア朝の英国ロンドンを舞台とした「エマ」。現在も人気のある作品です。
「坂本ですが?」
著者:佐野菜見
出版社:エンターブレイン
入学早々、クラスの、いや学校中の注目を集める一人の生徒がいた。その名は坂本(さかもと)。彼にかかれば、ただの反復横跳びは、秘技「レペティションサイドステップ」へと変貌し、上級生からの「パシリ」は、「おもてなし」へとクラスチェンジする。
そんな彼のクールな一挙手一投足から、目が離せない。
月刊誌ダ・ヴィンチの2013 上半期Book of the Year男性誌マンガランキング部門で1位を獲得。コミックナタリー大賞2013でも1位を獲得しています。
「さよならタマちゃん」
著者:武田 一義
出版社:講談社
いつか漫画家になる事を夢見て、漫画家アシスタントとして日々を暮らしていた35歳の主人公。そんな彼に突然襲ってきた癌という大きな試練。睾丸の癌に冒され、片タマを失った主人公が、家族や他の入院患者との出会いをコミカルな絵でリアルに描ききる。
著者武田 一義さん本人の実体験をもとに描かれた作品です。既に連載は終了していて、全1巻の作品です。
現在は、癌を克服され、元気であるそうです。今月末からは新連載も始まるそうです。
「重版出来!」
著者:松田 奈緒子
出版社:小学館
「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです!
読み方は、じゅうはんしゅったい。
重版が出来上がり、その書籍が販売されることを意味します。
著者の松田 奈緒子さんは、1969年生まれの45歳。代表作には、少女漫画・100年たったらみんな死ぬ・東北沢5号など。
コミックは現在2巻まで発行されています。3巻は、今月の3/28発売予定です。
「七つの大罪」
著者:鈴木 央
出版社:講談社
かつて王国転覆をはかったとされる伝説の逆賊・〈七つの大罪〉。今もなお執拗に、そのお尋ね者を追うは、王国の要・一騎当千の聖騎士たち。しかし、切なる想いを胸に秘め、〈七つの大罪〉を捜す一人の少女が現れた時、世界の様相を一変させるとびきりの冒険が始まった!
著者の鈴木 央さんは、1977年生まれの36歳。少年ジャンプ・少年サンデー・少年チャンピオン・少年マガジンの漫画誌全てに連載作品を掲載した数少ない漫画家さん。代表作には、ライジングインパクト・ブリザードアクセル・金剛番長などがある。
コミックは、現在7巻まで、発売されている。8巻は、4/17発売予定。
「ひきだしにテラリウム」
著者:九井諒子
出版社:イースト・プレス
ようこそ、ショートショートのワンダーランドへ。
笑顔と涙、驚きと共感。コメディ、昔話、ファンタジー、SF・・・万華鏡のようにきらめく掌編33篇。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
著者の九井諒子さんは、同人誌即売会は、ウェブサイトなどで作品を発表されていました。
「僕だけがいない街」
著者:三部 けい
出版社:角川書店
毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。
ヤングエースにて連載中の漫画。
著者の三部 けいさんは、瓦敬助・三部 敬の名義でも作品を出しています。代表作には、菜々子さん的な日常・魍魎の揺りかごなど。
ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦さんのチーフアシスタントを務めていた。
「ワンパンマン」
原作 ONE・作画 村田 雄介
出版社:集英社
一撃必殺! 強くなりすぎて、どんな凶悪な怪人もワンパンチで倒してしまうヒーロー“サイタマ”。平熱系最強ヒーローの伝説開幕!! WEB界のカリスマと超絶絵師タッグが贈る、日常ノックアウトコミック!!
原作のONEさんは、ワンパンマンを自身のホームページ上で、発表されていました。(現在も)
そのワンパンマンの読者であった村田 雄介さんが、作画を担当することになり、リメイク版として、となりのヤングジャンプで連載されました。
現在コミックは、5巻まで発売しています。
上記の10作品の中から3/27に2014年の漫画大賞が決まります。
どの作品になるでしょうか。